<ジルの日記>

April 1999

久しぶりにクリスと電話をした。クリスの元気そうな声に安心した。
最近、メール友達が出来たと嬉しそうに言っていた。
メール相手はクリスの妹・クレアの知り合いで、私達の勤務先であったラクーン警察に配属されるはずだった青年だそうだ。
どんな話をメールで交わしているかは聞かなかったが、クリスが余りにも楽しそうに話すので、私は余計な想像をしてしまった。
でも多分、そういう事なんだろうと思う。先月に、クリスは仕事で合衆国に数日戻ったと言っていた。
その時に直接会ったらしい。「そうだなぁ、酒癖は悪いけど、可愛いやつだよ」と言うクリスの声色は、すっかり春だ。
今度その青年の写真を見せてね、とクリスに言っておいた。楽しみだ。


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<ジルの日記>

May 1999

クリスから『メール友達』の写真を見せてもらう前に、本人に会えた。
バリーに用があって落ち合った時に、一緒に来ていたのだ。
名前は【レオン・S・ケネディ】。セピアに近い色をした綺麗な髪に、整った顔立ち。
一言で言ってしまえば、ハンサムな青年だ。
バリーは「口が悪いんだこいつは」と言っていたが、女性である私には美辞麗句の嵐だった。
正直、クリスはもっとムキムキでマッチョがタイプなのかと勝手に思っていた。
こういう美青年がタイプとは思っていなかったので、私はとてもびっくりした。
試しにクリスの話題を振ってみると、レオンは「尊敬してるよ」と言っていた。両想いなんだろうか?


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<ジルの日記>

October 1999

随分寒くなってきた。冬が近い。
今日、レオンに会った。相変わらず女性への態度は完璧だ。
「綺麗な髪だな」とか、「今度食事に行かないか?」とか、普通の女性なら揺れるようなセリフをスラスラ喋る。
だけど私はクリスとレオンの事情をうっすら知っているから、お世辞だとしても効果が無い。
クリスに最近会った?と尋ねたら、少し沈黙を置いて、「クリスとは、まだ1回しか会ってないよ」と言った。
春に一度会って、それきり直接は会っていないらしい。
まぁ、確かに忙しいクリスの状況を考えると仕方無いと思う。レオンも、エージェントになる為の訓練を積んでいる最中だ。
色んな話を聞き出そうと思っていた私には残念な回答だった。
後でクリスに「次に合衆国へ戻る時は必ずレオンに会ってね」とメールを送っておこうと思う。








〜2008.6.14 ≪back